2415 ヒューマンHD [企業調査]
ヒューマンHDは「人材関連/教育/介護」の事業を展開している企業です。
コード | 企業名 | 時価総額 | 営業利益 | 営業利益率 | Net cash | 予PER |
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2415 | ヒューマンHD | 149億円 | 23億円 | 25% | 136億円 | 11.5倍 |
※1.時価総額、予PERは2019年7月26日終値時点の数値
※2.営業利益、営業利益率は連20.3四予の数値
※3.Net cashは、四季報夏号による連19.3の有利子負債ー現金同等物
今回、当社を調べようと思ったきっかけは、主に以下の事項が挙げられます。
・外国人の日本語教育&就労支援というビジネスは人手不足の日本に必要だと思った
・業績も2期連続増収増益に加え、会社四季報による今期と来期の予想も増収増益
・営業利益5期平均で約21億、ネットキャッシュ約130億に対し、時価総額150億と割安
状況把握も兼ねて競合と推測される「ベネッセHD」と「ツクイ」との比較による財務分析を行いました。
https://drive.google.com/file/d/1finnCtTU8HurqcXRuT7F9YD6cRg0eTRa/view?usp=sharing
ヒューマンHDは規模こそ小さいものの「割安性/効率性/安全性」においては競合よりも優れているでしょう。成長性や収益性の実績としてはまだまだ課題がありますが、現在展開しているサービスが実を結べば、規模が小さい分大きな成長が見込めますので、市場から評価し直される可能性は高いかと。個人的には競合比較をした際、割安性が最も目を引きました。資産価値の側面も踏まえた上で中長期的に将来性のあるビジネスを展開している企業に投資をしたい気持ちがあります。
有価証券報告書(2019.6.28)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2415/yuho_pdf/S100GC4U/00.pdf
決算説明資料(2019.5.22)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2415/ir_material_for_fiscal_ym1/66124/00.pdf
決算短信(2019.5.15)
http://211.6.211.226/tdnet/data/20190515/140120190509418410.pdf
企業URL
https://www.athuman.com/
次にヒューマンHDのビジネスの部分を見ていきます。
<なにで稼いでいるか?>
ヒューマンHDのセグメント別の売上高比率は「人材関連58%/教育28%/介護12%」です。
売上高の約6割を人材関連が占めていますが、以下の表にもあるとおり、人材関連の約9割は「人材派遣事業」で収益を得ています。
※有価証券報告書より抜粋
<なぜ稼げているか?>
売上高では人材関連事業が主力という見方でしたが、営業利益では「人材関連30%/教育50%/介護20%」という割合です。これまで3期連続して赤字だった介護事業が4.1億円の黒字になりました。
ただ、ヒューマンHDはセグメントが多すぎる気がします。これだけ色々やっていると何をやっているのか把握しずらいため、人気化しにくい要因かもしれません。
※決算説明資料より抜粋
<今後、どのような変化があるか?>
国内IT人材不足の解消を狙い、ロシアやインドの大学、企業と協定を結び、日本語講座を提供して卒業後、日本での就労を支援しています。IT人材は世界から日本に来ないことには、人手不足は解消しないため、このようなビジネスは中長期的に見て将来性があるのではないでしょうか。また、外国人の就労支援のため、eラーニングのサービスも開始し、フィリピン最大手人材サービス会社(マグサイサイピープルリソース社)と合弁会社も設立しています。こちらは、2021年度までに受講者数1,500人を目指す模様です。日本語学校の生徒数も順調に伸びているようで、就労支援に繋げられる事業シナジーがある点がヒューマンHDの強みと言えるでしょう。
※決算説明資料より抜粋
<今後どのくらい稼げるか?>
外国人ITエンジニアや介護領域の外国人労働者は今後も確実に求められるため、「指導、派遣、介護」の3本柱により、増収増益を継続する可能性が高いでしょう。経営者は売上高経常利益率5%を中期的な目標に掲げており、仮にそれが達成できたなら、売上高800億円に対し、経常利益40億円という計算になります。それが達成できれば現在150億円の時価総額も400億円くらいにまで上がることが期待できるでしょう。市場が暴落した時に買いたい企業の一つとして監視し続けようかと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。